エノケン生誕120年!エノケンMIX
エノケン生誕120年!エノケンMIX 浅草オペラと菊谷栄と戦前ジャズ 令和の浅草に大正末~昭和初期の幻の名舞台がよみがえる!
エノケン生誕120年!
令和の浅草に大正末~昭和初期の幻の名舞台がよみがえる!
浅草オペラと菊谷栄と戦前ジャズ
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【第一部】 浅草オペラ『地獄祭り』
作=佐々木杢郎 脚色・作曲=佐々紅華 上演台本=保利透
東京の赤坂で生まれた若かりしエノケンが魅せられたのが浅草オペラです。浅草オペラはその前身の帝劇オペラの流れをくみ、海外の本格的演目である『カルメン』や『椿姫』などの本邦全幕完全上演を目指しつつも、まだまだ日本での洋楽が浸透していない時代でもあり、大衆芸能のメッカである浅草で上演するにあたりより日本人に親しみやすい和製オペレッタが多数うみだされ上演されました。
こう言った本格志向と大衆志向が混然としたところが浅草芸能の特殊性であり、後の軽演劇の胎動を浅草オペラの成熟期に感じつつ、数々のスターをはじめ美術や台本などの舞台作家が誕生しました。
エノケンもまた端役ですが浅草オペラの根岸歌劇団で若手俳優として頭角を現したそのひとりと言えましょう。
今回上演の『地獄祭り』は後に『君恋し』『祇園小唄』などの作曲で有名になるグラフィック・作詞・作曲の出来るマルチなクリエイターであった佐々紅華(1886-1961)の脚本が光る作品です。台本は残っていますがなるべく音楽も含めて当時のままとするため、当時のレコード音源で表現されている後半部分を中心として約100年ぶりに上演します。
厳密にはこの演目にエノケンが出演した記録は見受けられませんが、作品にみられる大正期における音楽性の確立と大正デモクラシーや大衆芸能の洒脱さなど、当時の人々の息吹を感じていただければと思います。
更に第一部での生演奏をするG.C.R.サロンオーケストラは引き続き第二部で二村定一ばりの山田参助を迎え、第一部の出演者と共に戦前にエノケンが歌った曲や当時のジャズ音楽などを演奏しますのでお楽しみいただければと思います。
出演
渕上純子
西本さゆり
武村篤彦
ウエッコ
上の助空五郎
大熊ワタル
木村美保
音楽と演奏
G.C.R.サロンオーケストラ
青木研
【第二部】 1931年型ジャズ楽団の演奏と歌唱
音楽と演奏
山田参助とG.C.R.サロンオーケストラ
青木研
【第三部】軽演劇『ミュウジック・ゴオズ・ラウンド』Remix版
作=菊谷栄 上演台本=和田尚久
菊谷栄(1902-1937)はエノケンの戦前喜劇の重要な伴走者として知られています。
青森県東津軽郡に生まれ、1921年に画家を目指して上京した菊谷は、浅草のレビューに魅せられ、1930年、エノケン率いるカジノ・フォーリーに舞台装置家として参加。のち、脚本に進出し、とくに1931年に榎本健一・二村定一が旗揚げをした「ピエル・ブリヤント」では、「リオリタ」「パリの与太者」「アルセエヌ・ルパン」などの脚本を提供、音楽とスペクタクルを融合させたエノケンのレビューを作者として支えました。文字通り、エノケンの片腕といってもよい存在でしたが、1937年に日中戦争の兵役招集を受け、中国・河北省で戦死。まだ34歳という若さでした。
今回とりあげる「ミュウジック・ゴオズ・ラウンド」は菊谷が世を去る前年1936年に浅草松竹座で上演されたレビュー劇。戦争の影が日本を覆う直前、まだ若者たちがレコードや映画からアメリカ文化を享受していた時代の空気がつまった喜劇です。
現存する直筆台本(国立劇場蔵)から類推するに、当時の上演時間は90分に近かったはずですが、今回は和田尚久の改訂により、原作のエッセンスを尊重しつつ、スピーディーな上演を目指します。また、菊谷による先行習作「公園のベンチ」を接合し、見どころを増補。さらに当時の使用音楽はほとんどが不明であるため、音楽は完全な新作として構成します。およそ90年の時代を超えて、1936年と2024年が融合する、まさにエノケン・リミックスをお楽しみください。
(上演台本作成にあたり、音楽プロデューサー瀬川昌久氏の遺品から発見された「ミュウジック・ゴオズ・ラウンド」の複写台本を底本としました。この台本は国立劇場蔵の手書き台本と同一内容であり、何らかの経緯により瀬川氏のもとに保管されていたものです)
出演
STAS OG 東京レビュー
榛名珠利
藤城伶維
紬希彩華
光瑠葵
粕谷雄太
村野みり
越後静月
山内菜々子
鈴木海人
藪田凛
音楽と演奏
大谷能生
【番外】「昭和風俗再現」
弁士楽団付き無声映画『黒手組助六(1929)』と『エロ・エロ東京娘百景』朗読
活動弁士:片岡一郎
朗読:山内菜々子・尾田直彪
2025年1月24日(金)~26日(日)
会場 浅草九劇 東京都台東区浅草2-16-2 浅草九倶楽部2F 地図(GoogleMap)
入場料 前売・ご予約:4,000円 当日:4,500円(全席自由・税込)
1月24日(金) 開場18:30 開演19:00
1月25日(土) 開場14:00 開演14:30/開場 17:30 開演 18:00
1月26日(日)【番外】開場 12:00 開演12:15/開場 15:00 開演 15:30
【番外】当日券のみ2,000円
前売開始 12月10日(火) 10:00
取扱い Paskip/チケットぴあ[Pコード:531167]
スタッフ
企画:ぐらもくらぶ
演出:山口貴義
美術:和田尚久
振付:榛名珠利、村野みり
照明:阿久津未歩(LICHT-ER)
音響:小谷しげのり
舞台監督:守山真利恵
制作:柴田聡子
協力:保利透、毛利眞人
イラストレーション:和田尚久
宣伝デザイン:千葉健太郎